開催日時:2021年9月13日(月)9:30~15:40
形式:オンライン(Zoom)
フォスタリングチェンジ・ジャパン(事務局:無憂樹)は、フォスタリングチェンジ・プログラム(FCP)ファシリテーターのスキルの向上とクオリティの維持を目的とし、定期的にフォローアップ・ミーティングを開催しております。
2021年度2回目となる今回のフォローアップ・ミーティングには、第1回養成講座受講のファシリテーターから、前週に第9回養成講座を受け終わったばかりの方まで、受講時期の幅広い13名のファシリテーターが参加され、6都道府県(福岡、三重、広島、北海道、新潟、栃木)の7機関から報告が行われました。コロナ禍において、各地でFCP実践の難しさがある中、今回のフォローアップミーティングでは、全チームとも実践報告ではなく、状況報告をされていました。
各機関からの報告・相談から、今回は主に、①コロナ禍での実践の課題、②FCP参加の里親さんの募集の課題、③ファシリテーターの実施体制に関する課題、が浮かび上がり、それらに対して、ファシリテーター同士、及びアドバイザーとの間で意見交換がなされました。
① コロナ禍での実践の課題
- コロナにより実施見合わせとなった地域もあり、改めて、FCPオンライン化のニーズが明らかになった。一方で、オンラインでも効果のあるFCPを実施するため、実践経験が豊富な機関を中心に、イギリスとも相談をしながら検討を進めている状況。これらが進み、将来的な選択肢となっていくことが望まれる。
- コロナ禍でのFCP実施における留意点や感染防止対策について、参加者から質問があがった。前年からの長引くコロナにより、結果として、コロナ禍で実践した機関からの経験や学びが蓄積されており、未実施の機関に対する具体的な対策の共有が可能となっている。
- オンラインでの養成講座受講のファシリテーターで、同機関に対面実施済みのファシリテーターがいない場合は、別機関の実施を見学する必要があるが、コロナ禍も相まって、近隣地域での実施予定が決まらず、見学の見通しがたたないことに不安を抱えているファシリテーターが一定数いることが改めて分かった。各機関の実践の状況を把握した上での見学先の紹介に加え、対面でのフォローアップミーティングの実施の必要性が改めて示唆された。
② FCP参加の里親さんの募集の課題
- 複数回FCPを実践している機関からは、参加者の募集・確保の難しさが共有された。共働きの里親さんや、FCP実施機関から離れた地域に住む里親さんからは、12回のセッションへの参加への躊躇が大きいことが議論された。短縮版や隔週実施についても意見が出されたが、あくまでも12回連続のセッションを通して効果が発現するようにFCPが設計されているため、標準実施のFCPへの参加にどのようにつなげていくかが重要であり、そのための方法として、以下のような意見・助言が出された。
- (特に初回実施は)児童相談所の協力
- サロンなどでの里親さんへのお声がけ、紹介セッションの実施
- 外部講師による講演
- 実際に参加した里親さんの声の紹介、体験者として講演
- 制度への反映
③ ファシリテーターの実施体制に関する課題
- ファシリテーターの人員体制が厳しく、実践の難しさがあるという声があがった。現場のもともとの多忙さがある上で、FCPを広げていくためには、実践のみならず、体制の整備を同時並行的に行っていくことが重要であることが、議論された。
- 複数名のファシリテーターで分担して実施することに関しても、意見・質問があがった。それに対し、ファシリテーターと里親の関係性の大切さ、またその関係性を作り維持していくためにも、一定の人数(多くても3-4人)のファシリテーターで実施することや、適切な分担の仕方(家庭の実践について説明したファシリテーターが、翌セッションでその実践についての振り返りまでは必ず実施する、担当ファシリテーターは原則全回参加するなど)について助言がされた。
今回は、参加者からの相談事項などについて十分に議論できる時間を持てたこともあり、また、チャレンジを抱えながらも実践に向けた意気込みを各参加者が示されたこともあり、参加者の皆さんからは、元気になった、声が聴けて良かった、やろう!という気になった、などの感想を述べていただきました。
参加された皆さんから、事後アンケートでいただいたコメントを、一部ご紹介いたします。
- 同じ状況の中でも工夫しながら実践されている機関があり勇気づけられました。まだ計画の段階ですが、着実にFCP実践に向けて進んでいきたいと思います。
- FCP実践に向けたアドバイスもさることながら、体制作りについても助言を頂けたことが何よりの収穫です。まずは仲間を増やしていきたいと思います。
- 参加したことで、オンラインですが温かい繋がりを感じることができ、やる気も出ました。
- 皆様、コロナなどの理由より積極的な活動が難しい中、様々な工夫をされ、FCPの良さ・効果を発信し続けていることが素敵だと思いました。また、活動の悩みや工夫を聴くことができて大変学びになりました。
- 今回、フォローアップミーティングに参加するにあたっては、近年、当県での実践もなく、何もお話しできることがないので申し訳ないなーと思っておりました。講師の先生方や事務局、参加者の皆さんのお顔を見ながらお話を聞いていると活力が湧いてくるようで、また課題についても共有でき、ミーティングの最後には参加して良かったなーという感想が持てました。