【開催報告】FCP フォローアップ・ミーティング(2024年度第3回-2月)

開催日時:2025年2月10日(月)13:30~17:00
形式:オンライン(Zoom)

 フォスタリングチェンジ・ジャパンは、フォスタリングチェンジ・プログラム(FCP)ファシリテーターのスキルの向上とクオリティの維持を目的とし、定期的にフォローアップ・ミーティングを開催しております。

 2024年度、第3回目となる今回のフォローアップ・ミーティングには、第1回養成講座受講から第18回養成講座を受けられたファシリテーターの中から、2機関2名の見学者を含む28名のファシリテーターが参加され満席となりました。

 11都道府県(北海道・茨城・栃木・千葉・東京・三重・大阪・山口・高知・長崎・熊本)より、12機関から報告が行われ、その内「実施報告」が5機関、「状況報告」が7機関からの発表となりました。

 今回の実施報告では、通常版に加え12+思春期版の開催を行っている機関が2機関あった。募集を行うにあたり、県(都道府県)との連携をとり各支援機関と里担の児相職員などにデモストレーションを開催し興味や理解を深めてもらえるよう働きかけたり、HPでの告知など前準備が良くされていた様子でした。課題としては、通常版を経て参加させる方と12+思春期版から参加される方との間に修得のスピードに差があったとり、全体を見据えた言葉使いを使う工夫やセッション後の通信チラシの活用、通常版受講者からの声掛けによるサポート、またファシリテーター同士でもコミュニケーションをとるなど「助け合い」を感じた報告でした。

 その他、通常版の実施機関からは、参加者同士が横の繋がりを持ってくれ、話す機会が増えることでモチベーションに繋がり、家庭での実践を毎日しっかり実践しプリントに記入してくれるグループがあったり、里父さんの参加があったところは、男性目線での発言が力を与えてくれたなど、参加者数の多い少ないに関わらず里親さん同士の繋がりの場となったことは大変貴重な様子でした。また、里親さんがFCPを受講していく中で、子どもに対して肯定的な言葉を使う様になったり褒めたりできるようにることで子どもにも良い変化が見られ、関係性が良くなったとありました。それに合わせ、ファシリテーターもセッションの最初に前回のセッションの振り返りと概要の説明を行ったり、フラワーパワーを用いりどこのスキルを学んでいるのかを可視化したりと、回を重ねるごとに工夫を凝らす場面が伺えました。

 今後の課題として、参加者の確保はどの機関も苦戦しているところで、共働き家庭の増加で新たな参加者を確保するのが難しかったり、思春期版含め土日開催のニーズが高くなっている所もあり、そうなると託児や職員確保などの問題が出てくる。また、開催時期による感染症の影響を受け、結果欠席者が増え継続での参加が厳しくなるなどがありました。

 状況報告では、特に参加者を募るにあたって苦戦している機関のほか、ファシリテーターの移動でスタッフが手薄になり実施に至らない、地形的な問題で範囲が広く実施するのに困難である。その他、毎年開催するのは難しく次のセッションの準備以外に時間を取らせてしまい他の業務の時間の確保に支障が出てしまうなど、様々な課題と相談があげられました。

 先生方からのアドレスでは、実施後に間をあまりあけずにフォローアップをすることや、例えば3か月ごとアフターセション、同期とのアフターセションなどを行ってみる。ファシテーターの増員については、県の方針、今後の社会的推進計画がどうなっていくのかをみて、今後発展していくころと合わせて、誰をファシリテーターにしていけば繋がっていくのかも考慮してみる。準備については、最初は2,3時間かかっていても、積み重ねをしていくことで効率よくできていくようになるとコメントをいただきました。また、ベテランの実施機関からは、新規登録研修の前にアテンディングなどちょっとしたことを行い、頭に残るようなことをやることでFCPを知ってもらっている、受講生の中からFCPのファンもいらっしゃるので、そこからファシリテーターを引っ張ることもできるなど、参加者を募るにあたって体験会や情報発信の他にも具体的な事例をいただきました。

 今回は、ベテラン実施機関の12+思春期版の実施報告があったことで、先々の見通しとなる意見交換も含め、充実した内容になったのではないでしょうか。また、FCPの良さを里親さんの変化を通して改めて実感したという声もあり、このプログラムの素晴らしさや重要性を事務局としても再認識させれたミーティングとなりました。

参加者からの感想(一部)紹介

●他機関の取組と先生方のアドバイスを今後に活かしていきたいと思います。

●皆さんの話を聞きながら、同じような問題について考え、今後の課題のポイントが絞られた。

●時間がないので遠慮してしまった面がある。もっとディスカッションできる時間があれば嬉しい。

●私たちの施設はなかなか里親包括支援事業を進められていない状況の中で、試行錯誤しながらFCPの実施検討をしています。今回は見学でしたが、経験値の高いみなさんのお話を伺い、共感したり参考になることもあり、充実した時間を過ごすことができました。来年度の事業の中で、FCPが県内の里親さんに興味をもっていただけるように活動をしていけたらと思います。

●私自身は今年度初めてファシリを経験し、他機関がどのような工夫や課題を抱えているかを経験者として聞くことができたため。開催日(平日か土日か)、場所、時期、参加者を集める工夫など、同じような課題を感じているところからヒントが得られた気がします。

●さまざまな実践を聞けてためになりました。実践している方にとってはグループに分かれてざっくばらんに悩みなどを話す機会があるとよりよいのではないかと思いました。

●始まり当所はとても遠いものに感じられたFCPも、上鹿渡先生はじめ皆様方の努力と、受講したいという里親支援者の「思い」が重なり、今日の発展に至っていると感じました。何よりもFCPの内容自体が素晴らしいのはもちろんですが。それでも、プログラムを実施するにあたり思うようにならないことは多いと、今日の発表を見て、また、私たちも毎年実施する中で様々な問題が起きてくることで感じます。何よりも、みんなの意見を共有しながら問題点を解決できる力をもてるチームワークの大切さと、支えるまわりの諸機関の協力が必須です。一生懸命になりすぎて目の前の事ばかりに気を取られ、先にある里親さんの笑顔を忘れないよう、ゆとりを持てる支援が大切なんだと感じさせてもらった本日のフォローアップミーティングでした。

尚、今回の次第、及び各機関の実施報告、状況報告の発表資料はフォスタリングチェンジジャパンのホームべージにあります、会員ページより観覧できます。

※会員ページのアクセスはFCPファシリテーターの方のみとさせていただきます。